JICAのニーズと現地のニーズ
この6ヶ月活動の方向性が配属先と合わず、活動について相談をすると以下のことを言われました。
・任地での活動がうまく行っていないので県外の活動を控えてください
・学校巡回ができるように配属先に掛け合ってください
うーん。それができていたらそもそも相談をしていないわけで、県外の協力者を頼りなんとか活動を切り開いているのに厳しいこと言うなというのが所感。
学校巡回ができない原因を少し整理しながらまとめてみました。
さて今回は自分の事例を挙げて事実ベースで考えてみたいと思います。
まずJICAの要請
・学校巡回や村巡回を通した環境意識への啓発運動
・廃棄物処理における業務改善
実際のニーズ
・リサイクルセンターや処理機を購入するための資金提供
といったように、人材や技術ではなくお金を求められます。
では、実際に現地が抱える課題はなんでしょうか。
・分別をしても、リサイクルセンター等がなく一括回収のため分別ができない
・人々のポイ捨てが多い
これは私が外から見て感じることなので、実際の現地人は問題意識は持っていないようです。
話を聞くと問題だよねと理解はあるのですが、現状を改善する必要がないため優先順位が下がります。
次は配属先の実際の活動を見ましょう。
・学校や施設の衛生指導
・新規店舗の衛生検査
・水質検査
・清掃労働者の勤怠と賃金管理
JICAの要請 | 実際のニーズと課題 | 配属先の実際 |
・学校巡回や村巡回を通した環境意識への啓発運動・廃棄物処理における業務改善 | ・リサイクルセンターや処理機を購入するための資金提供 | ・学校や施設の衛生指導・新規店舗の衛生検査・水質検査・清掃労働者の勤怠と賃金管理 |
こう見ると、配属先の業務と要請が一致していないことがわかります。
何回も話しても並行線なのはこのためです。
次に実勢の業務に対して行った自身の活動は次の通りです。
配属先の実際 | 実際の活動 |
・学校や施設の衛生指導 ・水質検査 ・清掃労働者の勤怠と賃金管理 |
・衛生管理マニュアルの作成 ・衛生管理項目チェックリストの作成 ・調理師たちに向けての手洗いWS |
この辺りは実際に活動を行うことができました。
しかしスポット的な活動なので定期開催は難しいです。
また、オフィサーは書類作りや予算計画、車両手配などの事務作業なども行なっているため、外国人ボランティアがその手の活動に加わることができないのです。
そういった現状を鑑み、他県のボランティアなどと協力し何かできることはないかと計画した時に、このような話になってしましました。
確かに、現地JICA事務所の話も理解できます。
しかし、要請にないことを話しても並行線なので次のステップに進もうとしています。
なので、自分なりの妥協点を見つけ、今後は以下のように進めて行こうと思います。
学校巡回の計画書と指導案例を提出し、配属先とJICAにメール。
1ーこの計画ベースで、可能なことと問題になっていることの洗い出しを図る。
うまく活動が通ればOK。
2ーもしうまく行かなければ、他県での活動を実行する。
3ーそれも禁止されるようなら、次の考えを実行する。
1がすんなりといってくれればいいのですが、今日行ってみると実際の反応は微妙でした。というか後回しにされました。いつものことです。
今週中は様子見しようかなというところですが、問題になっていることが物理的に解決不能な場合、2までで任期を終えたいな。
3までいくとお互い不幸だから。
青年年海外協力隊の活動は必ずしも順調に進むとは限りません。
むしろ課題ばかりのことが多いと思います。
言語、文化、考え方の違い、コミュニケーション様々な要因がありなかなか活動がうまくいかない。
それを踏まえて活動をしているので、その部分は多少の割り切りが必要だと思います。
そして一番の問題になるのが、現地のニーズと要請内容の違い。
スリランカでもボツワナでも同じだったので、多くの隊員はこの違いに悩んでるのではないかと思います。
そんな感じで、活動に困っている方は事実ベースで問題を洗い出し、配属先もJICAも巻き込んだ依頼をしたらどうでしょうか。
そして自分がやりたいことはなんなのか、それが現地で実現可能なのか。
現地のためにやれることをやった上で、自分の活動ができるのか。
私自身がうまくいっていないので、なんとも言えませんが一つ参考にしてみてください。