協力隊の経験
リフレッシュ休暇をいただき活動に対するモチベーションがだいぶあがってきました。
配属先とも本日話して、配属先の活動に積極的に関わっていこうという結論になりました。
これは大きな前進と捉えていいのか自分にはわかりません。
こういった話は何度も行われていて結局活動が進まなかったのが、この1年半の結果だからです。
さて、では今後自分の活動は上手くいかず何もなしできない活動になってしまうのでしょうか。
1年半同じ結果のだから2年間全てうまくいかない。そういう訳ではないと、リフレッシュ期間にある本を読みながら気持ちが切り替わってきました。
その本とは「嫌われる勇気」です。
とても有名はアドラーの本ですが、読んでおらず話には聞いていてもピンとくるものが少なかったので手に取ることはなかった本。
協力隊に来て、自分の現状を照らし合わせるととてもためになったのでわかりやすくまとめようと思います。
最初にまとめると、
1.目的論で考える。
2.自分と課題と相手の課題の分離(超重要、自分的に)
3.上下関係を作らない。感謝を求めない
1.目的論で考える
冒頭でも話したように、私は、今まで上手く行かなかったのだから、残りも上手くいかない。と考えていました。だからどんどんモチベーションも下がり、活動する気力さえも低くなってきました。
しかし、アドラー心理学では、この過去に囚われて考えることを原因論と考えていて、未来のことには何ら影響がないと考えています。
学校巡回が目的ならば、それに向かって行動を起こし続ければいいということなんだと思いました。
でもそれが上手くいかないからずっと悩んでたんじゃないの? どう行動したらわからないよ と私もずっとそう思っていました。
それは次の話が私が上手くできていなかったからなんだと思います。
2.自分の課題と相手の課題の分離
今回この話が一番心に響いたのですが、どうやら私は自分の課題と相手の課題を混同していたようです。
アドラーは、自分のコントロールできる課題を一生懸命やり、コントロールできないものは考えさえするなと言っています。
これ、協力隊の活動においてめちゃくちゃ重要で、
自分は何度も話をしたし、計画書を出して相手を説得した(自分の課題)
しかし相手が動いてくれない(相手の課題)だから、どうにか動いてもらうと説得や方法を変えて提案する。
これを見てもわかるように、途中で相手の課題をコントロールしようとし始めます。
そこからはお分かりの通り、ただただストレスがたまりモチベーションも下がっていきます。
途上国の人間関係の例でもよくある話
相手「出かけよう。今日17時に迎えに来るから。」という話をOKする。
時間通りにこない。
電話が来て、相手「今日は本当に行くのか?」(なぜか自分が原因にされる)
自分「行くから迎えに来るんだよね?」と聞くと待ってろと言う。
結局迎えに来ない。
そうした時にはただ待つのではなく、本を読んだり、筋トレしたり自分の有意義な時間の使い方を行い、相手のことをもう考えないようにするのが一番だということです。
この課題の分離が上手くいかなかったことで今まで多大なストレスを溜めていたのだと気づきました。
だから自分が行うべき課題は、いろいろな人に声をかけ活動を見つけていき、そこで自分も相手もWIN-WINな活動を達成すること。
そこで、配属先やJICAオフィスからどう思われようが気にしないことにしました。
配属先もJICAオフィスも耳障りのいいことを言ってきます。
一緒に活動しようとか、粘り強く話をして行ったら活動の道が開けるとか。
それは実際起きた時に対応すればいいだけであって、参加したり、一緒に活動することは相手次第だと考えてそれらは一切無視して、自分の課題に取り組むことに全力を注ぐことが、結果的に全ての人がWIN-WINになるのではないかと考えます。
3.上下関係を作らない。感謝を求めない
協力隊は現地のために何かをしてあげようというgiveの精神が強いと思います。
そして現地に来て思うのが、全然感謝される活動ってないじゃん。なんのために配属されたの?
みたいな感覚です。
活動がないこと自体は、自分の課題ではないので考える必要はないのですが、誰かの役に立ちたいというモチベーションならいいのですが、感謝される活動をと思うと危険とアドラーは言っています。
感謝される=相手がどう思うか
なので、結局相手の課題に自分が首を突っ込んでいる形になります。上下関係も同じで褒めてしまうとそれだけで褒められたいもしくは褒めてあげようみたいな相手依存の報酬の形になってしまします。
感謝をいうこと自体は上下関係を作らない良い方法なのですが、自分から感謝を求めようとはしないことが肝要だと思います。
まとめ
今後の自分の活動としては、giveするのではなくwin-winの関係を作るよう努力する。そして、仮にその計画が自分的に良いものだとしても相手が動かない場合がある。
その時は無理に期待せず、新しい方法や提案相手を変えるなどしていく。
それが、任地や配属先に拘らなくても良い。
とします。
それで、協力隊のいいところはこういった気づきをすぐに実践できるところだと思います。
常に活動の課題や文化による人間関係の課題などついて回ります。
だからこそ、実践できることも多く、また成果や成長として自分に返ってきます。
これまでは、協力隊の経験というのはどれだけ任地で成果や活動を残せたかという思いばかりでした。
しかし、自分の成長に繋がる課題がたくさん落ちている場と考えるとそれはそれでワクワクします。
本来の協力隊の活動趣旨とはずれるのかもしれませんが、こういった側面もあるのだということが気づけただけでも大きなものになりました。
ストレスの限界値
活動に関してストレスの限界がきているのは以前書いたけれど、それと相まって配属先で起こるあれこれに限界を感じた。
ストレッサーは以下の通り。
・進まない活動の話
・意味のない現地語のシャワー
・つまらない下ネタ
・くれくれ攻撃
・買え買え攻撃
・日本に連れてけ
・日本の仕事を紹介して
・価値観の押し付け
・価値観の無理解
・若干の差別
おおよそ、予定していた通りなんだけど、一度にこれらがくると処理しにくい。
どうやらストレスマネジメントが必要なようだ。
ボツワナでできるストレスマネジメントは以下の通りである。
読書:日本の活字に触れると落ち着く。生活には現地語か英語しかないから尚更である。
ランニング:ボツワナはアフリカでも道路整備がきちんとしている。(特にメインの道路)そのため、走りやすいと思われる。
Netflix:海外向けにジブリが解禁され、ジブリ映画が見れるようになった。すごい。
日本人との電話:協力隊と問わず日本人と話すことでストレス軽減につながる。
文章化:ブログを書くことも整理の一つ。実際ストレッサーの整理など何が問題なのか何が自分にストレスを与えるのか客観的に理解できる。
しっかりと休む:活動がないということもあるが、ストレスがあるときは無理に活動しなくてもいいと思っている。ボランティアなのだから。
一つ一つは大したことはないのだけれど、積み重なるときついのがストレス。
今回は活動に行き詰まっているのにもかかわらず、一気にきたこれらのストレスでいっぱいいっぱいらしい。
多分ここが自分のストレスの限界値
ボツワナのマルチ商法
土曜日に近所の配属先の人に会議があるからと誘われて参加した。
すると20人くらい人が集まっていたんだけど、テーブルにはプロテインやサプリなどがたくさんあった。
そう、これは健康商品のPRである。
基本的にセツワナで説明があったから、全ては理解できないのだけれど、体づくりやプロテインのことは以前から興味があったのでなんとなく理解できた。
得意分野ってなんとなく理解できるからすごいよね。名称とか英語だから理解しやすいのだけれど。
簡単に説明すると置き換えダイエットで健康的に痩せよう。というのがコンセプトだった。
朝食や間食をプロテインジュースや補助飲料、プロテインバーなどに置き換えて、摂取カロリーを減らす。
加えて軽度の運動をしようみたいな話。
カフェインレスの紅茶や食物繊維が入ったサプリなんかもあって、リラックス系の商品もあり、運動には興味ない人も引き込めるから抜かりない。
きになるお値段は、プロテインバー12本入りくらいのサイズが3000円くらい。
1キロのプロテインも大体同じくらいの価格で、現地の人にとっては高いんじゃないかと思った。
ここからが面白い話で、もしこの団体に加入すると安く購入できるとのこと。
購入品の10%がポイントがついて、500ポイントで25%割引
色々な人に紹介して、その人達が購入し、3ヶ月間で2500ポイント越えると42%引き
そして1000ポイント越えると50%割引。(12ヶ月)
また、プライスとポイントリストは公にしないようにと言っていたので、要はたくさん人に紹介して購入をさせる、そのマージンをポイントもしくは金額を浮かせようという感じだったな。
マルチと似た感じ。
ポイントの管理とかどうするんだろうという疑問と個人的には変なツボを買わせるよりは全然いいけれど、効果とか内容物とか不安だからスポーツ店や薬局に行った方がいいと思う。
けれど、プロテインとか大都市にしか売っているところを見たことがないから、ローカルの人にとってはメリットなのかな。
家で簡単にできる運動とか紹介できるとなおいいかな。
自分はは期間も残り少ないし、プロテインも持っているから今回見送り。
でも面白い体験だったな。
最後にボツワナあるあるだけれど、ボツワナでは色々な人が副業をしている。
オフィスの人が土曜日に、大きなモールの前で香水やジュースを売っているの見かけたことがある。
他の隊員の話では、服のレンタルを行っている人もいる。
そうやってメインの仕事の他に副業をしている人は多い。
だから彼らにとってこうやって副収入を得るのは大事なんだなと思う。
JICAのニーズと現地のニーズ
この6ヶ月活動の方向性が配属先と合わず、活動について相談をすると以下のことを言われました。
・任地での活動がうまく行っていないので県外の活動を控えてください
・学校巡回ができるように配属先に掛け合ってください
うーん。それができていたらそもそも相談をしていないわけで、県外の協力者を頼りなんとか活動を切り開いているのに厳しいこと言うなというのが所感。
学校巡回ができない原因を少し整理しながらまとめてみました。
さて今回は自分の事例を挙げて事実ベースで考えてみたいと思います。
まずJICAの要請
・学校巡回や村巡回を通した環境意識への啓発運動
・廃棄物処理における業務改善
実際のニーズ
・リサイクルセンターや処理機を購入するための資金提供
といったように、人材や技術ではなくお金を求められます。
では、実際に現地が抱える課題はなんでしょうか。
・分別をしても、リサイクルセンター等がなく一括回収のため分別ができない
・人々のポイ捨てが多い
これは私が外から見て感じることなので、実際の現地人は問題意識は持っていないようです。
話を聞くと問題だよねと理解はあるのですが、現状を改善する必要がないため優先順位が下がります。
次は配属先の実際の活動を見ましょう。
・学校や施設の衛生指導
・新規店舗の衛生検査
・水質検査
・清掃労働者の勤怠と賃金管理
JICAの要請 | 実際のニーズと課題 | 配属先の実際 |
・学校巡回や村巡回を通した環境意識への啓発運動・廃棄物処理における業務改善 | ・リサイクルセンターや処理機を購入するための資金提供 | ・学校や施設の衛生指導・新規店舗の衛生検査・水質検査・清掃労働者の勤怠と賃金管理 |
こう見ると、配属先の業務と要請が一致していないことがわかります。
何回も話しても並行線なのはこのためです。
次に実勢の業務に対して行った自身の活動は次の通りです。
配属先の実際 | 実際の活動 |
・学校や施設の衛生指導 ・水質検査 ・清掃労働者の勤怠と賃金管理 |
・衛生管理マニュアルの作成 ・衛生管理項目チェックリストの作成 ・調理師たちに向けての手洗いWS |
この辺りは実際に活動を行うことができました。
しかしスポット的な活動なので定期開催は難しいです。
また、オフィサーは書類作りや予算計画、車両手配などの事務作業なども行なっているため、外国人ボランティアがその手の活動に加わることができないのです。
そういった現状を鑑み、他県のボランティアなどと協力し何かできることはないかと計画した時に、このような話になってしましました。
確かに、現地JICA事務所の話も理解できます。
しかし、要請にないことを話しても並行線なので次のステップに進もうとしています。
なので、自分なりの妥協点を見つけ、今後は以下のように進めて行こうと思います。
学校巡回の計画書と指導案例を提出し、配属先とJICAにメール。
1ーこの計画ベースで、可能なことと問題になっていることの洗い出しを図る。
うまく活動が通ればOK。
2ーもしうまく行かなければ、他県での活動を実行する。
3ーそれも禁止されるようなら、次の考えを実行する。
1がすんなりといってくれればいいのですが、今日行ってみると実際の反応は微妙でした。というか後回しにされました。いつものことです。
今週中は様子見しようかなというところですが、問題になっていることが物理的に解決不能な場合、2までで任期を終えたいな。
3までいくとお互い不幸だから。
青年年海外協力隊の活動は必ずしも順調に進むとは限りません。
むしろ課題ばかりのことが多いと思います。
言語、文化、考え方の違い、コミュニケーション様々な要因がありなかなか活動がうまくいかない。
それを踏まえて活動をしているので、その部分は多少の割り切りが必要だと思います。
そして一番の問題になるのが、現地のニーズと要請内容の違い。
スリランカでもボツワナでも同じだったので、多くの隊員はこの違いに悩んでるのではないかと思います。
そんな感じで、活動に困っている方は事実ベースで問題を洗い出し、配属先もJICAも巻き込んだ依頼をしたらどうでしょうか。
そして自分がやりたいことはなんなのか、それが現地で実現可能なのか。
現地のためにやれることをやった上で、自分の活動ができるのか。
私自身がうまくいっていないので、なんとも言えませんが一つ参考にしてみてください。
同期隊員マハラペに来る
隊次的には2018-1次隊。同期に当たるしょーちゃんが任地に来てくれた。
マハラペはハボロネからも近く、大きな街で観光地もない。
そのため特に用事がなければマハラペで降りることはない。
そんな中、隊員のすべての配属先を見たいというしょーちゃんが来た。
残念なことに配属先も始まったばかりでこれといった活動は見せれなかったけれど、同僚たちと挨拶したことや、いろいろな部署を見せれたのはいい経験になったのではないかな。
特に以前カニエというしょーちゃんの任地の活動をしょーちゃん自身が配属先に説明してくれて、より説得力が増したことは自分にとっても嬉しい。
そんなにおもてなしができなかったけれど任地を楽しんでくれてよかった。
既知との遭遇
任地に帰るとホームに戻ってきた感がある。
だけど、2週間ほどハボロネのドミトリーで生活をしていると任地の感覚が鈍っていくもの。
首都はなんでも揃っていて、ドミトリー生活で苦になることはない。最近は蝿が増えていてそれが少し不快なくらい。
それくらい長期で家を開けていると自宅にはいろいろな変化があった。
植物の成長
雨季ということもあり、入居当時には気にならなかった植物たちが急成長。
外の洗濯場まで行くのにも植物が邪魔をして行きにくい。
布団を干そうと思ったら、植物の種子がくっついたりしてなんだか余計汚くなった気が。
まきびしみたいな植物も生えているので玄関に着く頃には靴の裏にトゲトゲしたものがついている。
たまに家の中に持ち込んでいるみたいで、素足で踏むとめっちゃ痛い。
裸足で駆け回っているボツ人の子供たちの足の裏は多分鉄でできているんだと思う。。。
虫の発生
以前から小型のゴキブリがキッチンにたくさん出没するのでゴキブリホイホイを設置していた。
帰って見てみると無数の彼らがとらわれており、乾燥してカピカピになっていた。
この時、自分は大成功したなと心の中で思っていた。
彼らをお風呂場で見るまでは。
夜、シャワーを浴びようと浴室を確認すると、今までボツワナでは見たことないくらいの巨大なゴキブリが浴室にいた。
もう声にならない悲鳴をあげた。
スリランカや福岡にはあれくらいのゴキブリは稀に見る。
特に祖父母の家にいた時。
だけどボツワナで見るやつらはせいぜい1cmくらいでそこまで恐怖を感じてなかった。
ただ今回のは7-8cmくらいあって本当に恐怖しかなかった。
やはりここは任地で色々起こるものだとしみじみ感じた。
そしてあまりうれしくはないのだけど、巨大なゴキブリを見て地元福岡を思い出すという。
そんな既知との遭遇をしてノスタルジーに浸った。